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草喰 なかひがし
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の名義で新しいシングルが出た。
たまたま接続したiTunesでそれ(RYDEEN 79/07)を見つけ、さっそく視聴してみた。
感激した!などのコメントを尻目に僕はとてもがっかりした。
チン!チン!チーン!チンチチチンチロリンチンチーン!とウインドベルらしい音色のメロディが鳴るのを聴いて『これはめし茶碗かウォーターグラスの音色か?』と錯覚した。
現在(いま)聴いてもカッコいい往年のライディーンのイメージではなく、打ち込みのできる人なら誰でもできそうなアレンジだったからだ。
悪く言えばYMO本人たちでなくともできるのではないだろうか?
細野も、高橋も、坂本も、それぞれのパートの楽器は名人なのに…。
リアルタイムでYMOを体験してきた人たちはもう、すでにいい大人になっている。
できればウッドベース、ドラム、ピアノのトリオでシブ〜イのをキメて欲しかった…。
僕が憧れた、音楽を好きになるきっかけのグループであるだけに『簡単に誰にも真似できないオリジナルのYMO』を演ってほしかったと思うのは僕だけなのだろうか・・・・・。
(↑これ、今日のキーワード)



さて、草喰なかひがしである。

ず〜〜っとこのブログにアップしたいと思ってきたがなかなかアップできずにいた和食の名店だ。僕の憧れのお店であることはそのスジではつとに有名。去年の12月に寄せていただいた時の様子をアップ!


八寸と先付、それとシャンパン。

…いつ見ても美しい八寸。
なかひがしのお父さんはきっと絵画を描かせても才能を発揮されるであろう。


鯉のお造り。

ここのもうひとつのスペシャリテと言っても過言ではないかもしれない。
うなぎが大好きな僕はうなぎ屋へ出かけると大概の場合「鯉の洗い」も一緒にいただくのだが、それでもこれまで「ここ以上の鯉」は食べたことがない。とりどりの野菜と一緒にいただく。


ぐじ(甘鯛)の焼き霜。

サッと炙ったぐじを大徳寺納豆と一緒にいただく。
大徳寺納豆を使うのもここの得意技。手前は自然薯をおろしたもの。
シャンパンの後はサヴィニエール。


琵琶湖産の本モロコ。

ノビル酢でいただくが、そのままでも充分美味しい!
このあとの鮒寿司には日本酒(英勲)を合わせた。鮒寿司にはやはり日本酒がイイ!

以前、知り合いの人に「なかひがし」について、とても信じられないことを言われたことがある。その方の生家は田舎にあり、豊富な山菜や山の幸に囲まれている環境に現在(いま)もある。
『あんなんウチの田舎じゃ珍しいことあらへんで〜、だってその辺に生えてるペンペン草やん!』

ちょっと待ってよ!

確かにその方にとっては珍しくない野草ばかりなのかも知れないが、それをこれだけの料理にして完成させるのは常人ではとても無理だと思う。
山河の幸を(時には海もある)これほどまでに昇華させることは並大抵のことではないハズだ。
なかひがしのお料理は他所に二つとない完成度を誇っていると言えると思う。

また、べつの方からは
『なんか毎日山で主人が採ってきた材料を使うてはる!ってゆうてるけど、実際は大原の朝市や、近所の八百屋から材料買うてはるらしいで〜!』と言われた。

ちょっと待ってよ!(最近こればっか(笑)…!)

山で材料を採る。これがどれだけ大変なことか知ってて言ってんのかいな!(僕は田舎育ちで、山菜採りの名人と言われた父に連れられてよく、山へ入っていた。)
お料理に使うすべての材料を野山、河川ですべて調達しようと思ったら一日では足りまへ〜ん!それ専門の方もおられるくらいやのに!それでは料理人ではなくてマタギか農家の人になってしまうやん!
どんな料理人であれ、材料の一部、もしくはほとんどを誰かから仕入れているのは事実。
天然物であれ、養殖したものや、飼育もの。栽培したものや、摘み草まで。
すべてを自分の所でやるなんて誰であっても不可能。
調味料まで考えると、すべてを自足でまかなうことなんてどう考えても無理なのに…。
それでも毎日山に入ってその時の旬のものを摘んでくる。たとえ一部であってもとても大切でとってもステキなことだと僕は思う。だって「ご馳走」ってあちこち走り回って材料をそろえると言う意味だもの。


ここのメインディッシュ「お竃さんで炊いたご飯」

とりどりの菜のものがつく。

なにより、ここのお料理をいただいた翌日はじつに目覚めが爽快である。体が元気になっている!これは他のどのお店よりずば抜けて優れている点であると言えよう。
お料理にとって一番大切な根源がここにある。

そしてお父さんのお人柄。
いつも謙虚である。
最近の僕の持論「優れた料理人の行き着く所は『謙虚』である」



なかひがしのお料理は『簡単に誰にも真似できないオリジナルのお料理』
いつ行ってもシブ〜〜い一発をキメてくれる料理屋である…。



| 和食 | 23:19 | comments(18) | - | pookmark |
夏の祇園さ々木
先日、家内の誕生日のお祝いに祇園さ々木へ行ってきました。
なんか今年は同じお店に再訪する事が多いです(笑)。

今回は席に着くなり、ご主人に「料理の写真を撮ってもいいですか?」と断っておいたのだが、あまり他のお客さんのご迷惑にならないように、一瞬でワンカットだけ撮影したせいか手ぶれが多く、あまりきれいに撮れていないので小さめの写真でどうぞ!
以下、どの写真も左上→右上→左下→右下の順です。



まずは鱧の焼き霜造り。
ハスの葉の上に鱧の焼き霜と新蓮根の甘酢漬け、茗荷。
刷毛で薄味の地を振りかけるご主人。その地がハスの葉の上で玉のように転がり涼しげ、いきなりの演出だ。

続いては蛸と小芋の炊き合わせ。
焼いた万願寺とうがらしが添えてある。
「蛸を7秒だけ炊きましたぁ、そのあと3日間だけ放置しておきましたぁ」と、いつもの口調で説明されるご主人。さ々木さんのひとつのウリである(笑)。

続いてお椀。
長刀鉾のデザイン。作ったばかりのお椀だそうで、うるしの香りがまだ新しい。「じつはまだお金払ってませんねん〜」とご主人(笑)。
肝心の中身は白芋茎と厚切りの蚫、うす葛仕立てだ。

さ々木さんのお料理を代表する向付け。お造りの盛り合わせだ。
大きな、大きな舞鶴産のとり貝、大分のアマテ鰈、トロの握り。思わず笑みがこぼれてしまう。どれから食べようか迷い箸をしてしまうよ〜!!!



続いてはさんまの握り!バーナーで炙る。
今年初の競りだったそうで、おおきな、おおきなさんまだ。季節がら大きさのワリには脂はのっていないが、美味しい!この季節にこんなサンマが食べられるなんて…。一尾1,800円もしたそうだ、こりゃさんまの値段ではないぞ!
ヅケのトロ握りも出る。

鮎の塩焼き。
さっき届いたばかりだそうで、ご主人曰く「まだお腹の中にウンコがはいってますねん!」さらに「隣の空き地で1時間10分かけて炭火でじっくり焼きましたぁ!」との事。
僕は鮎にはうるさいほうだ。例えば地元の飛騨高山近辺で獲れた鮎であればどの川で獲れたものであるか当てた事があるほどで、それだけ匂いに敏感なのだ。
その僕が言う!「おそらく過去食べた鮎の中でこれほど最高に美味しい鮎は体験した事が無い!」
鮎の塩焼きの理想は逆さに焼き、尾の方は干物、中は塩焼き、頭は腹からしたたる脂で唐揚げのようにサクサクに仕上げると聞いた事があるが、まさに完璧!その通りの鮎であった。

ゼリーがかかっているのは兵庫で獲れた海胆。
涼しげな一品で「鮎で興奮した口」をさっぱりと戻してくれる。
さ々木さんのお料理はあまりに旨すぎてついついお酒が進んでしまう!

そして、スッポンのスープで炊いたフカヒレ。
下には賀茂茄子のはいった玉子地を蒸してある。上はオランダいんげん。
贅沢な一品だ!フカヒレのプリプリ、ツルツル感がタマラナイ!



と、その次の瞬間、一瞬電気が消えた!
『どうしたんだろう?』と思ったら、なんと!ご主人がケーキを手に出て来られた!
「僕の作ったチーズケーキです!お誕生日のお祝いです!」と、家内の前に出して下さり、自ら「ハッピーバースディー」を歌うご主人!僕も、他のお客さんがたもご唱和して下さった。家内は感激!スフレタイプのチーズケーキを皆さんに振る舞って下さった。
いや〜、驚いた!

最後はご飯。
ご主人が手に持って来られたのは白ご飯!「もう予算オーバーですねん!そやから本日は白ご飯ですねん!」と、ご主人。じつは鱧の子の卵とじをのせた『鱧の子丼』でした。
お漬け物を食べていると、横から水茄子の浅漬けが出てきた。まるでリンゴのように甘い水茄子は昨今の夏の風物詩となろうとしている。

デザートには桃やマンゴ等のいろんな果物の上にフルーツのピュレ(マンゴだったっけ?)がかかったもの。

さ々木さんは美味しすぎていつも少し飲み過ぎてしまう!それだけ酒がすすむのだ。

思いがけない演出もあり、楽しい夜を過ごした。
最後にあまったチーズケーキは折りに詰めて下さった(笑)。
そのチーズケーキは翌朝、家内といただいた。さ々木さん、ありがとうございました〜!



| 和食 | 21:04 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
菱岩のお弁当
昨日、おかげさまで「ある目標だったアクセス数」を突破しました!
皆さんありがとうございます。

でも今日は全然アクセスありません…(涙)
まぁ、きょうから連休なので仕方ないか…。



桜の時季、少ないスタッフにも関わらず、男の子二人頑張って
くれていたので何かごちそうしてあげようと思い、スタッフを
連れて食事に行く計画を立てていたのだけれども、せっかくの
お休みを潰させてしまったりしたらかわいそうなので、菱岩さん
のお弁当をとってあげることにした。

OくんとYくん、それぞれに奥さんの分もいれてふたつずつ。
これならお家でゆっくり楽しめるからね。

中村家はこの季節、菱岩さんのお弁当をよくいただく。

気になる内容は…

奥の大きい方
まめご飯、奈良漬け、竹の子木の芽和え、出し巻き、桜の葉で
巻いたお鮨、松風、鱒の木の芽焼き、串に通したイカの黄金焼き
とキュウリ、八幡巻き、車海老旨煮、鴨ロース、白魚、菜の花。

手前の小さい方は煮物

お麩、カボチャ、竹の子、イイダコ、つくねときぬさや。

菱岩さんのお弁当は本当においしい!

僕の中では一番好きなお弁当だ!


| 和食 | 10:37 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
祇園さ々木


今日も朝9時から働き詰めで、まだまだ仕込みは
あるのだけれど、ちょっと疲れてきて気分がノらず、
気分転換にブログをアップする事にした…。

一月の初め、さ々木さんが奥様と一緒になかじんへ
おそばを食べに来て下さった。

もう、ずっと前からさ々木さんに行きたかった僕は
今年の自分の誕生日が休日だという事を知っていて
さ々木さんに寄せていただこうと思いつき、その日
予約が取れるかどうか尋ねてみたのだが…。

な、なんと、一番早く取れる予約の日で3月22日
だったのだ!甘かった…(涙)
今までさ々木さんには何度か寄せていただいているが、
こんなに先まで予約が埋まっているとは…。

気を取り直して…。

この日なかじんは休日。
家内は朝からお茶のお稽古に…、僕はと言えば子供と
初めて二人っきりで朝から過ごした。
宇治の自宅から電車を乗り継いで映画を見に行った。
ドラえもん『のびたの恐竜2006』だ。
涙もろい僕はドラえもんを見て泣いた…。感動した。
お昼は子供の大好きなお寿司を食べた。

そして、6時過ぎに京阪四条で家内と待ち合わせ。
いよいよ久しぶりのさ々木さんだ!

お店に到着し、ご主人と挨拶を交わす。
そしてそそくさと携帯を胸ポケットに忍ばせる僕を見た
家内は「今日は写真はアカンで!」と僕に言う。
「え〜、だってブログにアップしたいやん!」と僕。
「ここでは我慢しとき!一応携帯は使用禁止やし…」と
家内が言う。
『携帯禁止は意味が違うで〜…』と心の中で叫ぶも、
シブシブと従う…。

う〜ん、でも読者はやはりきれいな料理の写真を期待
しているのではないだろうか?
お店の入り口にある提灯ではたとえ料理を食べてなくても
誰でも撮れる訳だし、あんまり意味がないのでは…(涙)

「その分、お父さんの豊かな表現力を用いて文章で読者を
納得させればええやん!」と家内。
『くそ〜、ウマい事言いやがって〜!』物議をかもす所だ!


「まずは酢の物でございます…」
出てきたのはさっと湯がいた甘草の上にさいまき海老をのせ
中に木の芽を忍ばせ、酢みそが上に鞍がけしてあり、全体の
味は加減酢でまとめてある。
少しエスニックな雰囲気の舟形の黄瀬戸と言った器に盛って
ある。器の黄、甘草の緑、車海老の赤、とてもきれいだ!
(みなさん想像できたであろうか…?)

ワインを頼もうと思ったが、この日は用意が無かったそうで
日本酒を注文、銘柄はご主人におまかせだ…。

続いてお椀。
蛤しんじょうで、中に帆立だのいろいろ入っている。
蛤のいいだしがでて、とても良い加減である。
そして椀の素晴らしい事。
ふたの裏には季節に合わせ、桜と月が描いてある。夜桜だ!
何でも特別に注文して創っていただいたそうだ…。

次はさ々木さん独特のまな板皿の盛り合わせ。
生のとり貝、馬刺、太刀魚の焼き霜、トロの握りの盛合わせ。
これをだすたびにご主人は菜箸でとり貝を叩き、その活きの
良さをお客にアピールしている。
大振りで肉厚のとり貝、活けのものでこれだけ大きいのは
ちょっと見た事が無いかも…。
太刀魚の焼き霜も美味しかった!どんどん酒がすすむ…(笑)

途中で「困った…」とつぶやいてしまう僕。
「どうしはったんです?」とご主人。
「この人ね、あとどれも残り一貫ずつになってどれから
食べたらいいか悩んで困っているんですよ…」と家内。
さすがに良くわかってらっしゃる…(爆笑)

そして桜マスの木の芽焼き、アンキモの時雨煮などと続く。
桜マスの木の芽焼きは「昔ながらの(オーソドックスな)
仕事ですが…」とご主人。
そんな謙遜しなくても美味しいです。

アンキモの時雨煮はまるでフォアグラ!口の中でトロリと
溶けてゆく…。しあわせ。どれもウマい!

驚いたのはグジや干し貝柱等でとったスープ。
特注の釜で数時間炊き上げて作ったスープで、世界三大
スープに数えられる仏跳牆(ファッチューチョン)を
イメージして創られたそう…。旨味が複雑に入り組んで
何とも言えぬ滋味。いや、旨味!う〜ん、体験したことの
ない強烈な旨味。思わず「スゲェ!」と唸ってしまった。

このころは最高潮に疲弊しきっていて食べた順番などは
多少前後しているかも知れないのであしからず…。

最後のご飯は氷魚(鮎の稚魚)の炊き込みご飯。
思わず、5杯もお代わりしてしまった…(恥)。

酒は全部で四合。いつも美味しいものをいただくときは
これくらい軽く飲むのに、この日は疲れていたのかかなり
酔っぱらってしまう…。
記憶が飛んでなにか料理が抜けていると思う…(笑)

最後にご主人とワインの話で盛り上がる…。
ご主人は去年、フランスのブルゴーニュへ行かれた時に
DRCへ寄って来られたらしい。
そして「今度フランスへ行くときはご一緒しませんか?」
と、誘っていただいた…。とても嬉しかった!

もう、最高に気分良く、ホロ酔い気分で店を後にした…。

その後に友達のいるお店に一杯飲みにいく予定であったが、
千鳥足になりかけだったので帰って寝る事にした…。

一か月遅れのお誕生日のお祝い…。
本当の誕生日には「誰にもナイショのレストラン」へ行って
存分に楽しんできたのに、何でも理由をつけては美味しい
ものを食べに行く。

それくらいしか楽しみが無いからまぁイイか…。


| 和食 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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